ビジュアルノベル「ネゲントロピー」Chapter.23 Part.3 エジソンが実験失敗による崩壊エネルギーを食い止めているシーンについて。
概要
このシーンはエジソンが、謎の存在から借り受けた力を使って崩壊エネルギーの塊をニューヨーク上空で持ち上げている状況。何故かお札に印刷されたアメリカの政治家フランクリンと会話している。シリアスなのかシュールなのかよく分からないシーン。
ここは難しい用語と遠回しな表現が多くよく分からないため、一つ一つ調べてみた。
紙幣のフランクリンについて
ベンジャミン・フランクリン アメリカ独立に大きな貢献を果たした政治家。現在の100ドル札の顔。 気象学者でもあり雷の正体が電気であることを明らかにしたことでも有名。
日本の紙幣は肖像が変わっていくが、アメリカの100ドル札は1914年以降、ずっとフランクリンで変わっていない。
1800年代から現在までのアメリカ合衆国100ドル札のデザインの移り変わり – GIGAZINE
紙幣のデザインからすると、作中の紙幣は1914年発行のもの。次の新札は1934年。その次は1966年。
物語は1955年のため一般的な紙幣は1934年のものになるはずだが、一世代前のデザインを使用していることになる。
11次元とは
忘れてもらっちゃ困るんですがね、あなたが■■■■の力を借りて「干渉計」を使うと決めた時、“あの”11次元空間とは何の関わりもなくなってしまったんですよ——だからこそ、私はこうやってあなたと会話することができるんです。
フランクリンの最初の台詞
11次元とは「超弦理論」が実証された場合の、この世界の次元数のこと。
超弦理論(超ひも理論ともいう)とはざっくり言えば、通常は点に見える素粒子が、ミクロな世界で「ひも」のように見えるという理論である。素粒子を点として扱うと、重力の働き方や量子力学において様々な法則からずれてしまう。それを解決するのが超弦理論かもしれないと言われている。
理論で「ひも」解く宇宙 – 研究室探訪 – 理学部ニュース – 東京大学 大学院理学系研究科・理学部
我々のいる空間は時間の1次元+空間の3次元=4次元
超弦理論では9次元の空間があるとしている。さらにひもとひもの間の力が強くなる特殊ケースでは1次元増えて10次元となる。ここに時間を足すと11次元。
我々のいる3次元空間からすると6次元(7次元)分が余る。これは素粒子の内部空間に存在する…らしい。とても小さく折りたたまれているため人間はこの6次元を知覚できない。
11次元空間=エジソンが元いた世界
フランクリンはエジソンの状態について「11次元空間とは何の関わりもなくなってしまった。だから、私はあなたと会話できる」と言っている。この台詞から察するに11次元空間とはエジソンが元いた世界のことを指す。
つまりは、崩壊3rdの世界では超弦理論が仮説ではなく、真であり、11次元空間であることを示している。
だからなんだ、どこに繋がるのか?よく分からない。ビジュアルノベルデュランダルでは「世界の泡は高次元の多様体」なる言葉があったが…。
干渉計とは(一般的な干渉計とは)
……あなたが今持っている能力は、あなたの人生における無数の可能性を潰すことで手にできるものなのですよ。
もしご不満なら、あなたが「干渉計」を使って能力をブーストさせようと焦りすぎたせいだということを覚えておいてください。そのせいで、潜在能力が表に出にくくなってしまったのですから。
フランクリン
波と波との干渉現象を利用して計測する機械のこと。
干渉を利用して光のスペクトルを解析するレーザー干渉計→レーザー干渉計(測定機): 基礎知識 | 富士フイルム [日本]
波に関係するもの、電磁波か何かでパワーアップをはかるアイテムなのだろうがよく分からない…。「無数の可能性を潰す」とあるので並行世界のエジソンとかにも影響が出るようなものか?
あの人たち「■■■■」
もう一度言いますよ、私も■■■■の創造物の1つにすぎないんですよ。今のあなたと何の違いもないんです。
(中略)
「あの人たち」は、間違いなくこの惑星の異常を放置しておくはずがありません……。
しかし、私たちが理解できる方法では事を起こさないでしょうね。
きっと「あの人たち」にとって、人類の存亡なんてどうでもいいことなんですよ。
「あの人たち」が本当に興味があるのは11次元空間の、私たちがまだ理解できていないさざ波の部分なんですから——
——そして、この惑星の異常なんて、その中で聞こえてくる煩わしいカエルの鳴き声みたいなものなんです。
「あの人たち」についてフランクリンの台詞
あの人たちの特徴は
- 地球に異常があったら放置しない
- 人間が理解できていない11次元空間の「さざ波の部分」を気にしている
- 人間のことはどうでもいい
- 日本語訳で4文字(簡体字も同じ)※
※英語訳はないので比較検証はできない(´・ω・`)。
余談:オットーが会った「崩壊の意思」の方は、基本「貴方様」と単数で、文字数もボカされていて分からない。
わざわざ「この惑星の」と言っているため、異星人の可能性が高い。今までに登場した異星人と言えば
- シュガーズ
- 天上の人
シュガーズは基本的に温厚な異星人。悪質な人間に利用されたことについては警戒していたこともあるが、「どうでもいい」「カエル」とここまで冷たい印象はない。
天上の人は、他文明は崩壊エネルギーを収穫するだけして滅ぼしてしまう侵略的エイリアン。後崩壊書では何かしようとしているが、第一部の段階では不明な点が多い。もしかしたら第二部で人類が理解できていない「さざ波の部分」が何か明かされるのかも?
簡体字でも「天上之人」で4文字であるし、この二択なら「あの人たち」=「天上の人」の可能性が高そう。
水色の光

ただ気になるのが、エジソンが行使している水色の光。天上の人は赤系の武器、飛翔体を使う。

天上の人なら赤い光、シュガーズなら時雨綺羅のように赤い目玉がつくはず。第3の異星人の伏線という可能性もまだありそう。
まとめ:調べたけど正直よく分からない
「人類の存亡はどうでもいい」けど「11次元空間のさざ波には興味がある」から「地球に何かあったら放置はしない」。
というのが「あの人たち」の事情っぽい。「さざ波」に関しては、素粒子内に折りたたまれた7次元のことを指してるんじゃないかな…知らんけど…。