層岩巨淵で出てきた謎の渦巻きマーク「トリスケル」について。
トリスケルとは

3つの模様が中心で繋がっているマークのこと。英語ではTriskel, Triskelion, Triple Spiralなど。日本語では三脚巴紋とも翻訳される。
連結する3つのマークは渦巻きとは限らない。例えばこのようなマークも三脚巴紋に分類される。
NHK大河ドラマ「いだてん」のロゴを制作しました。 pic.twitter.com/VJEVzvpVxA
— 横尾忠則 (@tadanoriyokoo) November 13, 2018
トリスケルという言葉はギリシャ語のtri+skelos(脚)から来ている。
ケルト人とは
ヨーロッパの先住民でかつては古代ヨーロッパに幅広く居住していた。時には古代ギリシャやローマと戦い、彼らの都市を襲撃することもあった。
ケルト人はギリシャ語で「ケルトイ」、ラテン語で「ケルタエ」「ガリ」などと呼ばれた。
ケルトイとは自分たちとは違う言葉を話すよそ者、蛮族を総称した言葉の一つ。
古代ギリシャ・ローマから見れば粗野な蛮族ではあったが、ケルト人は冶金や装飾などにおいて優れた技術を持っていた。その技術で残されたマークの一つがトリスケルである。
トリスケルの意味
- 太陽
- 妊娠、誕生
- 輪廻転生
太陽との関連
3つの渦巻きは太陽の3つの位相に関係がある。位相※とは夏至、春分・秋分、冬至の3つ。
※繰り返される現象のある特定の局面
夏至は一年で最も昼が長くなる日、冬至は昼が短くなる日。春分・秋分はその中間。

冬至の朝に差し込む光「ニューグレンジ」
太陽に関連する例としてアイルランドの遺跡「ニューグレンジ」がある。
ニューグレンジは約5000年前に作られた墳墓。入り口前に設置された巨石にトリスケルが刻まれている。

ニューグレンジは人気の観光スポット。人気の理由は太陽光に関する仕掛け。年に一度、冬至の朝に入り口から光が差し込み、遺跡内の床を照らすように設計されている。
妊娠、誕生
太陽の位相(夏至、春分・秋分、冬至)はおおよそ3ヶ月の周期。
春分 | 3月21日 |
夏至 | 6月22日 |
秋分 | 9月23日 |
冬至 | 12月22日 |
3ヶ月x3渦巻き=9ヶ月、妊娠期間のこと。
トリスケルは古今東西のケルト装飾の中でよく見られるマークで、母なる神に関連して使われる。
鶴観の古代符文には、月の女神のことが書かれていた。原神の月の女神はアリア、ソネット、カノン。元ネタでは、ローマ神話の女神ユーノー、ディアーナ。
ユーノー、ディアーナは月の女神であると同時に妊娠や子供にまつわる神。またディアーナはトリビア(三ツ辻)の神とも言われる。
9に関連するネタ

ローマ数字の9 = Ⅸが11 = Ⅺになっている。通常のローマ数字の時計の例

輪廻転生

このトリスケルの3つの渦巻きは繋がっていて、一筆書きで書ける。始まりも終わりもないトリスケルは輪廻転生を表しているとも言われる。
※九霄の石だと一筆書きはできない。おそらくこのタイプのトリスケル。

トリビアの神ディアーナは誕生に関係するだけではなく冥界を行き来する神でもあり、原神の月の女神も元ネタと同じく鶴観の幻影(死者の魂)を保護していた。
また、層岩巨淵の魔神任務では輪廻転生を思わせる台詞もあった。

以上の2点からすると、天上には死者の魂を集め、地脈へと返す(転生)役割がある?となると、空を飛ぶ力(九霄の石)は、魂の転生に必要な力となり、間接的に輪廻転生を表しているとも考えられる。