常世大神の「種」にまつわる能力について、他の「種」についてのテキストと意味合いを比較してみる。

「種」にある「瞬間」を過去と未来へ持っていける

【樹の比喩】

(中略)

その後、祭司に言われた通り、庭師は霊木の枝を植えようとした。だが、庭師が言葉を漏らす——霊木が成長するのに五百年はかかると。すると祭司は、一念で千劫の辛労を尽くせばよいと答えた。そして、庭師が自家の裏庭にそれを植えると、その瞬間、細い枝が新しい木に生まれ変わったのである。その木に宿っていた木霊も、元の精神を引き継いでいた

なぜなら時の神は、「種」にある「瞬間」を過去と未来へ持っていくことができたのだ。

白夜国館蔵第2巻(日月前事)

ここは常世大神の化身である祭司が行った木の「再生」についての部分。

祭司は伐採された霊木の枝から霊木そのものを再生させた。のみならず元の木霊の精神も再生できていた。

これこそ崩壊3rdでオットーが欲してやまなかった死者の完全な再生のように思う。オットーが再生させたクローンのカレンはカレンそっくりの別人でしかなく、彼女の魂まで再生することはできなかった。

完全な復活に行き詰まったオットーは全く別の方法をとる。崩壊の神の協力を得て、500年分の時間をなかったことにし、カレンの生きていた時代に戻る――。ストーリー中では「時間の枝」から歴史を抹消する、とオットー本人の口から語られた。

Ch27『愚者の黄昏」より

アビサルヴィシャップの「種」

書籍「白夜国館蔵」にはもう一つ「種」にまつわる記述がある。

おそらく彼女の体内には、その環境に対抗するための「種」がなかったのだろう。しかし、彼女の子供たちは皆、体脂肪率が高く、過眠と氷元素の特性を持っていた。

(中略)

アビサルヴィシャップは成年する前に、自身の「種」を自由に覚醒させることができるのだ。また、ヴィシャップの母体が未知の過酷な環境に遭遇した時、新たな「種」を作り子供に残すことも可能なのだろう。

白夜国館蔵4巻(アビサルヴィシャップの実験記録)

アビサルヴィシャップは過酷な環境に遭遇した時、それに適応するための「種」を子供に残す。さらに受け継いだ子供は、成年前に「種」を選択的に覚醒させることができる。

「種」とはおそらく遺伝子や遺伝形質のことを指しているのではないか。

遺伝子」という言葉については、本編ではないがスクロースとアリスが使ったことがある。

例えば、スクロースはいつも、キャッツテールのバーテンダーで、同じ獣耳を持つディオナと自分とは、同じ遺伝子を持っているかどうかについて知りたがった。

(中略)

遺伝子の原理は似ているが、根源は違う。猫との関連性については研究する価値がある。注:骨は暫く入手できない」

スクロースキャラクターストーリー2
アリスのナレーションより「彼女の遺伝子も、彼女の能力もとっても気になるわ」

アビサルヴィシャップの種=常世大神の種?

種=遺伝子だとすると、常世大神がやったのは単なるクローン生成になってしまう。この方法はオットーがすでに実行して精神(魂)は引き継げないと結果が出ている。

アビサルヴィシャップの種と常世大神の種は同じ意味ではない…?

現実のクローン

クローン技術によって愛しい存在を再生させるというのは現実でも行われている。

亡くなったペットの遺伝子からクローンとして再生させるビジネスを目的として、アメリカの大学でプロジェクトが進められていたらしい。が、誕生した世界初のクローン猫Ccは性格どころか外見も元の猫と同じになることはならなかった。クローン動物は必ずしも元の動物と同じ特徴を持つものではないということを示す事例として注目を集めた。

動物の外見や性格は生育環境に大きく左右される。ならば、クローンを元の個体と全く同じ環境で生育できれば同じ外見と性格になる?

だが、庭師が言葉を漏らす——霊木が成長するのに五百年はかかると。すると祭司は、一念で千劫の辛労を尽くせばよいと答えた。そして、庭師が自家の裏庭にそれを植えると、その瞬間、細い枝が新しい木に生まれ変わったのである。

白夜国館蔵第2巻(日月前事)

常世大神の時の風が元の霊木と全く同じ経験を枝にさせたのだろうか?

別の種 ガチャ石

紡がれた運命、出会いの縁

「ストーリー中に登場するPC」と「パーティー中のPC」は違う存在ではないのかという説がある。一部のキャラクターは主人公の旅に付き合える身分ではない。祈願で降ってきた星から本編中とは違うPCが出てくるのでは、的な説。説明文にも「本来交わらない運命を交差させ」とある。

ストーリー中のPCとガチャで引いたPCが別物だったとして

塵歌壺の中での会話を見る限りは、そのキャラクター性(精神、魂)は本編中とは変わりないように思える。オットー的にいえば魂の引き継がれたキャラクターのように思う。

魂の引き継ぎ、精神の連続性。これらの祈願アイテムの仕組みは常世大神と何か関係があるのか?


Ver2.5で淵下宮のストーリーの続きが実装されるようなので、とりあえず種についてはここまでとする。

まとめ

常世大神の「種」の能力はオットーが望んでいた「完全な復活」を実現できる。

アビサルヴィシャップの「種」は遺伝子のことかもしれない。

ガチャ石から出てきたPCは常世大神の再生と同じように精神・魂を引き継いでいる。常世大神の行った再生に似ている。