書籍では螭が岩王帝君に討伐されたのは千年前。「険路怪跡」で魔神戦争があったとされる年代。しかし、実際は数千年前だった。原文にも当たってみたが誤訳ではなさそう。年代の誤差が気になるため概要をまとめておく。
螭とは
かつて軽策荘周辺を占拠したという龍の形をした魔物。数千年前(または千年前、理由は後述)に岩王帝君に鎮められた。
「螭」は個体名ではなく種族名。璃月・稲妻の海に関連したテキストにも「螭」が登場する。
世界任務 「螭」の話
軽策荘周辺で3つの謎の欠片を集め、螭が封印された「密蔵」を探す任務。
任務で語られた伝説
かつて螭は軽策荘に巣を作ったが、岩王帝君に鎮圧された。二度と害をなさないように、宝器で遺骸を密蔵に封印した。そして入口を「水」で塞いだ。
※密蔵:軽策荘北西にある滝のすぐ脇に入口がある
欠けた文字
3つのギミック解除のヒントとなるテキスト。以下、要約。
1. 遺跡内
螭の血は固まって石となり、人々に害を及ぼした。人々は木に血を吸わせて鎮めようとした。
2. 5つの岩尊像がある場所
倒されても完全には死んでいなかった。螭の5つの要素を順に封じた。
- 精神:真北
- 骨:南東
- 体:北西←密蔵のある滝
- 魂:北東
- 形:南西
3. 最も高い場所、軽策山の頂上
精神、骨、形、魂はなくなったが、体は消滅していない。
日本語訳「骨は鎖」について
欠けた文字: 「…その骨は鎖、精神はなくなり、形と魂は消滅しても…体は存在する…」
鎖(くさり)の部分は簡体字原文だと销(シャオ)。金属を「溶かす」という意味。骨は溶けてなくなったということ。
日本語の漢字で表すと銷(ショウ)でくさりとよく似ている。
密蔵の中

集めた3つの欠片を門にはめると開く。中の装置を起動すると、遺跡守衛ら5体と戦闘。中央にある「軽策秘蔵」守らないといけない。
洞窟奥には宝箱が大量にあるが、螭の痕跡は見つからない。軽策荘の若心に報告して任務は完了。
はっきりしない謎
- 軽策秘蔵:おそらく螭を封印したという宝器。
- 遺跡守衛:螭の遺骸を狙っている?何のために?
秘境:無妄引責密宮
ある秘法は八つの扉から一つを隠し、邪悪の道を断つことができる。昔、ここでその秘法を使い、妖魔を閉じ込めた人がいるようだ。外にある七本の柱はまさに七つの扉で、中には邪悪な螭が封印されている。
秘境説明文
螭は肉体以外は残っていない。肉体を封印しているという宝器の中がこの秘境ということか。
無妄引責密宮:元は七門鎮螭密宮という。Ver.1.5で改名された。
海灯祭での鍾離の台詞
2022年の海灯祭では軽策荘にいた鍾離が螭に関することを話す。
古き時代に、軽策荘は螭に侵された。それが鎮められてから既に数千年も経っている。
(中略)
主人公選択肢:螭の残骸について
「螭は死後、その身を岩と川に変えた」。その伝説を俺も耳にしたことがある。
浪漫ある伝説だ。だが、事実は異なる。
雄大な岩は千代に渡ってそびえ立ち、清らかな水は万代に渡って流れる。人々がこの土地で生活できるのは、彼ら自身の勤勉な働きのおかげだ。
螭が鎮圧された時期
- 鍾離の台詞:数千年前
- 冒険者ロアルドの日誌:千年前
簡体字原文をどちらも調べたが誤訳ではない。実際は遥か昔にあったことが、民間では千年前になっているということだろうか。
※魔神任務間章「険路怪跡」では魈が「銅雀は千年前の魔神戦争で死んだ」と発言。二千年前に集結した魔神戦争とは違う戦乱があったことを示している。千年前といえば若陀龍王が暴走したのも千年前。この魔神戦争について新しいことが分かれば、年代の食い違いについて分かるかもしれない。とりあえず討伐者本人の言った年代を優先しておく。
事実は異なる
鍾離の台詞は軽策荘の美しい風景について語ったもの。文脈を踏まえて解釈すると、伝説では螭の残骸によって川や棚田ができたとされるが、そうではなく人々の努力によって今の軽策荘が出来上がったという意味。
伝説はあくまで伝説。テイワットでは伝説が本当だったパターンが多いので、名もなき人々の功績を称えるためにわざわざ言及したのだろう。
螭に関するまとめ
- 螭はかつて軽策荘を巣にしていた龍型の魔物
- 数千年(または千年前)、岩王帝君によって鎮圧された
- 魂などは消滅してしまい、肉体だけが封印された状態で残っている
- 螭の残骸から軽策荘の風景ができたというのは事実ではない
- 遺跡守衛が封印を解こうとしていた?