スペイン語のWikipediaのモンドの項目でこんなことが書かれていた。
この地域は、ドイツ、スイス、オーストリアの影響を受けており、モンドシュタットの街のデザインや建築物、NPCの名前、地理的要素などに見られます
オフィシャルコミュニティにはモンドの家屋に似ているドイツ系の街の写真があった。これは管理者によってオススメに設定されている。
5 real German towns that inspired Mondstadt – miHoYoプレイヤーコミュニティ
コメント欄にはこういうヨーロッパの街を訪れたことがあるという人もいた。以下の国に行ったらしい。
スイス、フランス、ドイツ、パラハ、チェコ、ベルギー、オランダ
これらの位置関係はこう。
だいたい中央ヨーロッパをモチーフにしているようである。(媒体によっては、中央に含む国が異なる)
全部調べるのはキツイのでスペイン語Wikipediaにあったドイツ、スイス、オーストリアと風車で有名なオランダについて調べる。
ドイツ
モンドの由来はドイツ語で「月の都」(Mond + stadt)だと言われる。
人類最高の友達
ドイツ原産のシェパードの説明文には、
人類最高の友達!
生物誌 – シェパード
伝説によると、モンドの旧貴族がこだわって種付けにより育てた高価な猟犬の子孫である。今ではテイワットの全7つの国に分布している。高貴な先祖だったが、今のシェパードは、忠実で信頼性が高く、親しみやすいことで知られている。昔の誇り高き騎士が、今の謙虚で熱心な西風騎士に取って代わられたのも、同じ事なのだろう。
中世の雰囲気を残した町並み
コミュニティで挙げられていたミルテンベルクという街の建物は
木製の骨組みをむき出しにするこの建築様式はハーフティンバーと呼ばれ、イギリスを始めとした北ヨーロッパで見られる。風雨に強い頑丈な構造で、特にドイツとイングランドでは15~17世紀に流行した。
スイス
スイス傭兵
スイスにも美しいハーフティンバーの街があるのだが、ここでは「スイス傭兵」を挙げておきたい。
日本からすると美しい自然や街並みの観光立国で永世中立国、豊かで自由な国のイメージがある。
しかし、19世紀までのスイスはあまり豊かな国とは言えなかった。
スイスの南約半分はアルプス山脈が占める山がちな地形。農耕には不利な条件をもつ地域。そのため行われたのが、「血の輸出」とも言われる傭兵稼業である。
有名なところでは、フランス革命で王家を守ったのはスイス警備兵だったという。亡くなった彼らを追悼したライオンの記念碑がルツェルンという街に作られ、今では有名な観光スポットのひとつとなった。
国策としての傭兵業は禁止されたが、バチカン市国の衛兵のみは例外的に許されており、実に500年もローマ教皇を守り続けている。
参考:バチカン市国 スイス衛兵隊|ガードマンの制服物語|ALSOK
自由の国モンドの自治組織が「西風騎士団」なのも、このあたりの影響を受けているのでは…?
時計の国
時計といったらスイスとドイツである。かの有名なロレックスもスイスのメーカー。(ただし創業はロンドンで創業者はドイツ人)
「高級時計ブランド おすすめ」などとググると販売価格の桁が違うメーカーがいっぱい出てくる。その多くがスイス製。

旅人には一生関係ないやつだな。
無理してない健全な重課金者の中にはこういう時計を持ってる人もいそう。
今でも現役なスイスの時計産業に対して、モンドでは「時」への信仰は廃れてしまった。

オーストリア
月の湖
スイスの東に位置するオーストリアもまた山岳地。
オーストリア政府観光局公式サイトではその豊かな自然を観光の目玉のひとつとしておすすめしている。
オーストリアにはそのものずばり「モンド湖」”Mondsee”という湖がある。
その名の通り三日月の形をして…月??

月の形ってことにしとこうぜ…
せやな…。中央の出島を切り取って島にしてしまえば、モンド城っぽく見えなくもない。
音楽の都
次にオーストリアと言えば音楽と芸術の都ウィーンである。モーツァルト、ハイドン、シューベルトといったオーストリアの著名な作曲家はウィーンを拠点に活動。現在でもクラシック演奏家にとって重要な拠点の一つとなっている。
原神の公式サイトには、名もなき吟遊詩人がモンドを訪れる観光案内的な記事が掲載されている。
自由の都、牧歌の城、北の明冠——これが吟遊詩人や芸術家たちの間で広く知られるモンドだ。
どこにでもいる平凡な吟遊詩人のボクも、一緒に旅する仲間と同じように詩、音楽、美酒とお祭りを愛している……いや、それがあってこそのボクと言っても過言ではないかな。だから、ボクたちのような者にとってモンドとは、どうしても惹きつけられてしまうものなんだ。
モンド初見
オランダ
世界は神が造りたもうたが、オランダはオランダ人が造った
日本ではオランダと呼ぶが本国では「ネーデルラント」(低地の国)という。山がちなスイス、オーストリアとは真逆な国である。
ここで思い出したいのは、モンドは2600年前に風神が地形整理やら諸々の整理を行い、豊かな大地になったこと。
2600年前に高地の国から低地の国(そこまで低くない)になったモンド。気候も安定しそれまでとは一転して豊かな国となった。
低地のオランダの国土は実に20%が干拓によって「作り出された」土地。オランダでは「世界は神が造りたもうたが、オランダはオランダ人が造った」とまで言われる。
山岳地域と低地のオランダという真逆のイメージを統合したのが、原神では風神だったとも言えるかも。
自由で豊かな国
オランダといえば日本では風車とチューリップの牧歌的イメージだが、世界的なデータからすると自由で豊かな国であることが見えてくる。
報道の自由、経済的自由、人間開発指数などにおいて世界でも上位にランクイン。2021年の幸福度ランキングではオランダは5位。日本は56位。(これだけで全てが測れる訳ではないが、データ上での比較として)

日本低過ぎないか?
GDPだと日本が3位でオランダが17位なんだけどね…。中国は2位。
スイスもこのへんの指標だとオランダと似たような感じで、同じように自由で豊かな国という印象がある。(報道の自由度ではオランダの方が上位)
モンドは経済的に見れば、スネージナヤや璃月よりは豊かではないが、幸福度ならば七国の中では高そうな気がする。
まとめ
モンドのモチーフはドイツを中心とした中央ヨーロッパだよ。たぶんね。