ルフシュロスはフィッシュルが「なんか格好いいやつ!」で選んだ感じの言葉だった。
フィッシュルの由来
フィッシュル(Fischl)
イディッシュ語の男性名Fishelが由来か?イエディッシュ語で小さな魚(fish)という意味。
イディッシュ語とは東欧のユダヤ人達の間で話されていたドイツ語に近い言語。昔は乱れたドイツ語として蔑視された時期もあった言葉。ドイツ語では魚は「Fisch」となる。
ルフシュロス(Luftschloss)
フォンvonはドイツ語の前置詞で王侯貴族の姓名の前につく称号。ルフシュロスは
Luftschloss = Luft (空気) + Schloss(城)
= 空中の城、転じて空中に城を建てるような実現不可能なこと
以上の意味から、ドイツ語圏で創作のタイトルとしても使われることも。参考:注ドイツ語Luftschloss – Wikipedia
ナフィードット(Narfidort)
Narfidotについてはよく分からない。調べても原神関連ページしかヒットしなかった。Narfi+dortと仮定して考えてみる。
Narfiはアイスランド語の男性名として存在するようだが珍しい部類に入る。意味は狭い、閉鎖的など。あるいは北欧神話の夜の女神ノートの父ナルヴィ(Narfi)かもしれない。
dortはそれらしい意味に絞ることができなかった。ドイツ語でそこ(there)、英語で不機嫌や(天候が)陰鬱などといった意味がある。
Dortという姓名としてはドイツ語のDortenや女性名Dorothea、オランダの都市ドルドレヒト(Dordrecht)に由来しているらしい。Dorotenもそこ(there)という意味、Dorotheaは神の贈り物、神。
Narfidotについてそれっぽく意味が通るように各言葉の意味を選んでみると
「狭いそこ」「ナルヴィ(神)の贈り物」
ルフシュロス・ナフィードットの意味を強引に解釈する(しかない)。
「空中の城(がある)狭いそこ」「あり得ないナルヴィ神の贈り物」?
オズの由来
オズヴァルド(Ozvaldo)
おそらくラトヴィア語のオズワルド(Oswald)が由来。古英語で
Oswald = os (神) + weald (力、支配者)
という意味。古ノルド語で同義語のÁsvaldrと名乗っていた聖人も実在する。
ラフナヴィネス(Hrafnavines)
フィッシュルのナフィードットと同じくこれも不明。Hrafna + vinesとして解釈してみる。
Hrafnaはアイスランド語hrafnar(hrafnの複数形)から来ていると思われる。これはカラス(raven)の意。日本のカラスでいうと、そこら中で見かけるハシブトガラスはcrowであり、日本では北海道でのみ見られるワタリガラスがraven(またはcommon raven)と呼ばれる。

この創作でも時々見られるレイブンというカラスはクロウと違って格好良い知的なイメージがある。中2キャラたるフィッシュルの使い魔としてはレイブンの方が似合っているだろう。参考:シベリアは神話・民話の宝庫(3)世界の創造神話にも登場するワタリガラス
オズが紫色のカラスであることを踏まえるとvinesは中期英語vines(vineの複数形)である可能性が高い。これはぶどうの木(grapevine)もしくはぶどう園(vineyard)のこと。そしてvineはワイン(wine)の語源でもある。
Hrafnavines = カラス + ぶどう、ぶどう園、ワイン
それっぽく意味が通るように選んでみると、オズのフルネームは「カラスのぶどう(ワイン)貴族オズワルド」的な意味になる。