レインドットとガイア・「アルベリヒ」の名前はドイツのオペラ「ニーベルングの指環」から。元ネタから探るガイアとカーンルイアの設定。
「祖父から遺伝した眼帯」実は本当のことを言ってた?草神とカーンルイア王族との子供で半神半人?カーンルイアは再興できるのか?
概要
ニーベルングの指環とは?
ドイツのリヒャルト・ワーグナー作曲のオペラ。ドイツの叙事詩「ニーベルゲンの歌」を元に作られた。
ドイツの英雄ジークフリートを中心に、支配の指環かけられた呪いによって起こる悲劇を描く。
レインドット
ライン川の精霊であるラインの乙女。ライン川の底にあるラインの黄金を守る。
レインドット自体は「ラインの娘」という意味でこれはラインの乙女を指す1参考:Rhinemaidens – Wikipedia。
アルベリヒ

ニーベルング族の小人。ラインの黄金から支配の力を持つ指環を作り、一族の王となった。アルベリヒは古ドイツ語でエルフの支配者2参考:Alberich – Wikipediaの意。
黄金の指環は主神ヴォータン(後述)に奪われる。この時、アルベリヒは指環に持ち主が死ぬという呪いをかけた。
以降、不思議な力を持つ指環を巡って争いが起き、持ち主を転々としていく。
アルベリヒについてさらに詳しく
ニーベルング族
地下世界ニーベルハイムに住む小人(ドワーフ)。
ニーベルハイム(ニヴルヘイム)
ニーベルハイムは北欧神話のニヴルヘイムに当たる。ニヴルヘイム=霧の国。地下にある氷と闇の冷たい世界。

地下にはニヴルヘイムとは対照的な灼熱の世界ムスペルヘイムも存在。さらに二国の間を大きな裂け目(ギンヌンガガプ)が隔てている。
ガイアが氷なのもディルックと表面上、断絶しているのもそのため?
「ニーベルングの指環」についてもう少し詳しい解説
ニーベルングの指環はドイツの叙事詩「ニーベルゲンの歌」が元ネタ。このニーベルゲンの歌はキリスト教化前のドイツ的英雄、伝承、歴史的事実などを下敷きに作られている。
各話の関係はこんな感じ

ニーベルゲンの歌の詳しい成り立ちについてはこちらへ。
「眼帯は祖父の遺伝」
ガイアの眼帯は伝説任務では「祖父の遺伝」と茶化していた。「ニーベルングの指環」ではある人物の祖父が隻眼で眼帯をしている。
その「祖父」とは主神ヴォータン。彼は北欧神話のオーディンに相当する。オーディンは知恵の泉から水を飲むのと引き換えに片目を失った3参考:オーディン – Wikipedia。

ヴォータンは人間の女性との間に、双子の兄妹をもうけた。彼らが近親相姦に至って生まれた孫が半人半神の英雄ジークフリート。彼は北欧神話のシグルドに当たり、「ニーベルングの指環」で中核を成す活躍をする。
余談:崩壊シリーズ
ジークフリートは崩壊3rd、崩壊学園の主人公キアナの父の名前でもある。

また崩壊学園ではメインストーリー第一部の章タイトルを「ニーベルングの指環」から採用。第一部の結末は指環を彷彿とさせるものとなっている。(後述)
アルベリヒとヴォータンの関係
地下の国の支配者であるアルベリヒは闇のヴォータン。逆に天上の支配者であるヴォータンは光のアルベリヒとも言うべき存在。
二者は光と闇として対照的に描かれる。
地上と地下の対比、ニーブルハイム=カーンルイアだとすると、深淵に落とされたというカーンルイアは元々地下にあったのかも。
深境螺旋は滅んだ古代文明の地下都市。深境螺旋の内部は蛍のストーリームービーで出てきた背景によく似ている。深境螺旋がカーンルイアだったのか?


北欧神話の地下世界にはもう一つの世界がある。それはニヴルヘイムの一部である死者の国「ヘルヘイム」。
原神内の地下に関するテキストを読む限りでは、深淵は地下世界の一部であるように読み取れる。となると深淵=ヘルヘイム=死者の国?
ヴォータンとの繋がり(眼帯)が示すもの
ガイアの設定の一部は孫のジークフリートから取り入れられたのかもしれない。
眼帯をしている祖父→半神半人の孫→ガイアは神とカーンルイア王族の子?
適当に草神と王族との子供では、と書いたのが当たっていたのか…。あるいはヴォータン=天上の神すなわち天空島の神の血が入っているとか。4ニーベルゲンの歌ではジークフリートはオランダの王子という設定で半神ではないし、伝承によってジークフリートやその他設定は異なる
実父と養父、二人の父への想い
ガイアにはモンドに置き去りにした実父と、彼に代わって育ててくれた養父クリプスがいる。
対してジークフリートの養父はアルベリヒの弟ミーメ。ジークフリートは両親を失い、指環を狙うミーメが孤児となった彼を育てた。
ジークフリートには知らない実父への憧れがあり、逆に打算で育てていた養父ミーメには辛辣な態度をとる。養父の方に気持ちが傾いているガイアとは真逆。
父という存在はある意味、二国の間で揺れるガイアの葛藤の象徴。
ガイアを拾ったのがディルックの「母」ではなく「父」だったのは元ネタを意識してのことだったのでは…?
カーンルイアは再興する?「ニーベルングの指環」の結末
アルベリヒは結局、支配の指環を取り戻すことはなかった。
奪われた指環は紆余曲折あって巨大な龍のファーフナーのものとなる。ジークフリートは、ファーフナーを討伐し指環を入手。
ところがアルベリヒの息子ハーゲンが指環を奪おうと画策し、ジークフリートは死に。彼と結婚した戦乙女ブリュンヒルデは「炎で指環の呪いを清めた後、指環を返す」と誓い、遺体を焼く炎の中に飛び込む。
するとライン川が氾濫し大洪水が発生。指環はラインの乙女達(レインドット)のもとへと還った。最後の章は「神々の黄昏5崩壊学園では指環の結末と同じように一度は世界が終焉を迎えている。」と題されている。
アルベリヒが再び王として返り咲くことはなかった。
まとめ
- 名前の元ネタはニーベルングの指環
- 「眼帯は祖父の遺伝」はジークフリートとの繋がりを示しているかも
- ガイアはジークフリートと同じで半神半人かも
- カーンルイアは再興できないかも