命ノ星座の英語版はラテン語。例えば、主人公の旅人座は
空:Viator ヴィアトール
蛍:Viatrix ヴィアトリックス
でそれぞれ旅人という単語の男性形と女性形である。
大抵はラテン語への直訳だが、中には少しひねった星座名になっているキャラもいる。
魈

Alatus Nemeseos
有翼のネメシス(金翼鵬王座)
義憤の女神ネメシス
ネメシスはギリシャ神話に登場する女神。夜の女神ニュクスの娘。有翼の女性の姿で描かれる。
神々に対して傲慢な態度をとる人間への神々の怒りと神罰を神格化した存在。「ネメシス」は「義憤」の意。ネメシスは「神罰の執行者」であると同時に、「義憤(ネメシス)をなだめる者」という二重性を持つ。
劇中での役割から考えれば、後者の説が採用されているのは明らかだろう。義憤をなだめるという性格がよく表れているのが、アテーナイ(アテネ)で行われたネメシスの祭り「ネメセイア」。この祭りは十分な祭祀を受けられなかった「死者の怨念」(ネメシス)が生者に向かわないようにする、という目的で行われた。
胡桃

Papilio Charontis
カロンの蝶(彼岸蝶座)
冥界の渡し守「カロン」
ギリシャ神話に登場する冥界の川の渡し守。闇の神エレボスと夜の女神ニュクスの子。ネメシスとは兄弟にあたる。1ネメシスの父親が書かれていないため異父兄弟なのかそうでないのか分からない
渡し賃1オロボス(古代ギリシャの銀貨)で川を渡すという。そのため古代ギリシャでは死者の口の中に1オロボスをくわえさせて埋葬する習慣があった。
冥王星の第1衛星であるカロンはこのカロンにちなむ。
なぜ魈と胡桃だけなのか
胡桃の伝説任務では、魔神の怨嗟による伝染病について言及していたのでそれ関連かもしれない。
魔神戦争の後、璃月では魔神の怨嗟による伝染病が流行。人々はそれを魔神の呪いだと信じていたため、適切な対応がとれず被害が広がった。後に疫病の拡散を阻止する方法が火葬だと分かった。それを初めて行ったのが往生堂の創始者。
胡桃によると、往生堂は「守り人」。人と人でないものを見守るのが往生堂の仕事らしい。

淵下宮のカロン、エレボス
カロンとその父エレボスに関しては書籍「白夜国館蔵」にて名前が挙げられている。
「付録」- 歴史上の人物、伝統ある名前-鳴神式名前の一覧
カイロス-常世大神
白夜国館蔵第5巻「光昼影底集」
…ス-有栖
アブラクサス-阿倍良久
カロン-華…
スパルタクス-須婆達
エマ-絵真
…-鯉
アンティゴネ、アンティゴノス-安貞
…
…
エレボス-烏帽子
エキーオーン-江木
ウダイオス…-宇陀
アスクレピオス-栖令比御
カロンはゲーム中で姿を見ることができないが、エレボスは登場済。
エレボスは世界任務「エレボスの秘密」(3つの試練をクリアする任務)に登場する淵下宮の巫女。任務が終わった後も消えることはなく、淵下宮の秘密について教えてくれる。

まとめ
魈、胡桃といった死者に関係するキャラの英語版命ノ星座はギリシャ神話から名付けられている。
魈は義憤の女神ネメシス。胡桃は冥界の渡し守カロン。二者は夜の女神ニュクス2夜の女神ニュクスは崩壊3rdゼーレの装甲の名前にもなっている。「星淵のニュクス」の子。
白夜国にいた巫女エレボスはギリシャ神話ではカロンの父。