パネースによる天地創造の描写のからテイワットの全体の構造について考えてみる。
パネースが卵の殻でやったこと
原初のあの方、或いはパネース。翼を生やし、王冠を被り、卵から生まれ、雄と雌の判別がしがたい。だが、世界を創造するのならば、卵の殻を破らなければならない。パネース——原初のあの方——は卵の殻を使って、「宇宙」と「世界の縮図」を隔離した。
白夜国館蔵2巻「日月前事」
卵の殻で「宇宙」と「世界の縮図」を隔離したというパネース。一見よくわからない描写だが、卵の殻を崩壊3rdの世界の泡としてみるとどうか。
卵の殻=世界の泡
世界の縮図=テイワットの各マップ
つまりは「テイワットをいくつかの空間(縮図)に分けて『世界の泡』の中に突っ込んだ」という解釈。イラストで表すとこんな感じ。

世界の泡を作って宇宙から退避した例
似たような話が崩壊3rdの短編マンガ「武装人形編」にて語られる。
消滅したと思われていたムー大陸
前文明時代、世界人口の6分の1を有し繁栄していたムー大陸。この大陸は岩の律者のブラックホールに飲み込まれて消滅した…。
ということになっていた。が、実際には量子の海へ転送され世界の泡のひとつとして存続していた。

ムー大陸は世界の泡に逃げたものの、崩壊災害による崩壊エネルギーや空間の歪みなどの影響は残っていた。人類は生き延びることはかなわず絶滅し、機械である武装人形のみが生き残った。
パネースがどういう意図で宇宙とテイワットを隔離したのかは分からない。もしかしたらこの漫画のように崩壊現象、あるいは他の脅威から逃れるために宇宙から退避させたのかもしれない。
卵の殻=天球=偽りの空
パネースは卵の殻で天球、すなわちスカラマシュが言っていた偽りの空を作った(とする)。
天球と言えば、崩壊3rdの聖痕には「張衡」という古代中国の学者がいる。彼は世界初の水力渾天儀(天球儀)を開発した人物である。

渾天儀は天体の運動を模した機器のこと。
張衡は自著「渾天儀」の注釈で宇宙を卵に例えて説明している。曰く、天は丸く、大地は卵黄のように中央に配されているとのこと。
シナリオライターが張衡のこの考えまで調べているなら、卵の殻=天球という設定にしていてもおかしくはない。
テイワットが「世界の縮図」となって起こったこと
期間限定のマップである金リンゴ群島はモンド・璃月から稲妻までの間にあると思われる。が、璃月の海岸側から稲妻方向を眺めて見ても、島影は見当たらない。見えるのは稲妻の島々のみ。

何故、金リンゴ群島が見えないのか?
金リンゴ群島を覆っている霧に物質を透明化させる力があるとか、そんな可能性もあるが崩壊3rdで気になる表現があったため紹介したい。
空間をつなぎ合わせた本
世界の泡で起こった空間異常についてこんな台詞がある。

そう、アンカーとはこの大型の世界の泡を形成する核なのです。たくさんのページのような微小空間を順序よく繋ぎ合わせた「本の背」なのです。
……いいえ、この場合、コンピューターの捻れたケーブルに例えたほうがいいかもしれないのです。
とにかく、要塞はアンカーに近すぎるせいで、無数の小さな独立空間に分解することができるのです。ひとつひとつ、単独の世界の欠片に近いというわけなのです。
ビジュアルノベル「デュランダル」Chapter.30
これは「気付くと同じところに戻ってきて、いつまで経っても目的地にたどり着けない」という状況での台詞。普通の方法でたどり着けないという点では金リンゴ群島の状況に似ている。
台詞中にある「分解された独立空間」のひとつが金リンゴ群島や淵下宮といったローカルマップなのかも?
まとめ:テイワットは世界の泡に格納された地図本かも?
パネースの卵の殻とは世界の泡のこと、ひいてはテイワットの天球であり、スカラマシュが言っていた偽りの空のこと。
原初時代、テイワットはいくつかの空間(マップ、縮図)に分かれた。分割された縮図は綴じられた本のような状態で世界の泡に格納された…かもしれない。
